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ガバナンス対談

コーポレートガバナンス強化に向け、取締役会が果たすべき役割

  • 代表取締役社長 佐口 敏康代表取締役社長 佐口 敏康
  • 社外取締役 木田 理恵社外取締役 木田 理恵
  • 社外取締役 中井 洋恵社外取締役 中井 洋恵
  • 社外取締役 鯨岡 修社外取締役 鯨岡 修

取締役会について

佐口: 当社は、2020年度から取締役会に、3人の社外取締役の方に入っていただいています。
まずは、社外取締役の方から当社の取締役会について、それぞれどのようにご覧になっているかご意見をお聞かせください。

中井: 昨年度から社外取締役が2名から3名に増えました。
マーケティング、医療・出版、法律とそれぞれのフィールドが異なる出身ですので、各議題でそれぞれの分析が興味深く、多角的観点からの議論ができていると思います。
しかも、私以外のお二方の分野はこれから当社が発展していかなければならない分野ですので、その意見は極めて貴重なものであると感じています。
他方、社外的な視点で見ると、その見解が一致することも多く、単独の意見では説得力がないところも、社外取締役の意見が一致することによって大きな力となり得ており、当社においては、社外取締役の機能が十二分に発揮されている状況になっています。

鯨岡: 私自身は2期目を迎えましたが、初めて参加した時からフラットな雰囲気の中で質疑応答や意見交換が行われていると感じています。
社外取締役の主要な役割は、社外という視点で、現在やこれまでの経験・知見をもとに、経営をはじめとする課題にさまざまな角度から意見を率直に述べることと考えています。
社外取締役が増え、それぞれのキャリアも多岐にわたっていることもあり、多様な意見が出ています。
このことは私自身の気付きとなるようないい勉強の場にもなっています。
昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大が経営に与える影響や、その対応についての議論が当然のように多くありました。
これについても、法務・リスク管理、マーケティング、SDGs(持続可能な開発目標)経営などの切り口から、それぞれの専門分野をベースとした意見や質疑応答が活発に行われています。

木田: 当社は社外取締役の比率が金融庁の求める3分の1を超え、女性の割合も2割を超えています。
数字だけを見ても多様性のある構成になっていると思いますが、それぞれに培ってきたバックグラウンドが違うため、取締役会では監査役の皆さんも含め、さまざまな視点での質疑が飛び交っています。
私は、社外取締役に就任して一年たちましたが、皆さん、活発に意見され話しやすい環境を作ってくださっているので、就任当初からとても発言しやすく感じていました。
課題に対し客観的かつ時には厳しい質問があったりしますが、社内、社外の立場の違いはあれ、私も含め皆さんの根底にあるのはグンゼという会社=関わる人々への愛情と、少しでも会社の持続的な成長を促し、企業価値を高めていきたいという情熱だと思っています。

企業風土についての強みと改善点

佐口: 木田取締役は昨年度より当社の取締役会にご参加いただいております。
フレッシュな視点で当社の企業風土についての強みと改善点など、率直な意見をお聞かせください。

木田: グンゼといえばアパレル企業のイメージが強かったのですが、就任してまず初めに驚いたのが多岐にわたる事業展開をしているということでした。
そしてそれらが全て生糸の生産から始まり、それに関連することから成長し、事業として立ち上がっていったことだと知りました。
一本の木が大きく根を張り、太い幹からいくつもの枝を伸ばし、豊かな実をつける。
そんなビジュアルが目に浮かびました。
時代の流れや環境の変化で枝ごとに実のなり方は違っても、根と幹が健やかであれば柔軟に光のある方へ枝を伸ばして豊かに成長していく。当社にはそんな企業風土があると思います。
これからも創業の精神を受け継ぐ実直さを大切にしつつ、さらに柔軟な発想で未来に向けた新たな価値の創造と若い世代にも認知され親しまれるようなブランドコミュニケーションの取り組みを期待したいと思っています。

指名・報酬委員会について

佐口: 中井取締役には指名・報酬委員会の議長も務めていただいています。
主な議事内容と、今後、議長として進めたいテーマがあれば教えてください。

中井: 指名・報酬委員会の議事内容は、主に役員や執行役員の人事、および役員報酬(賞与などを含む)になります。
直近の課題としては、2021年3月1日から施行された会社法改正に従って、役員報酬規程の改正を、法改正のためだけでなく、当社の継続的発展のための報酬のあり方の観点でも議論していく必要があります。
このように、組織の継続的発展のためには、多方面からのアプローチが必要となりますが、中でも、未来を担う人財の育成は最重要課題です。
そこで、今後指名・報酬委員会の議長としては、幹部候補者育成について、十分な議論を継続して行っていきたいと考えております。
とりわけ、女性活躍は不可避の観点ですが、特にレディス製品を扱う当社においては喫緊の課題であると捉えて、議論を行っていきたいと考えています。

持続可能で中長期的な経営ビジョンに向けた取り組み

佐口: 2021年から当社はサステナブル経営に取り組んでおりますが、持続可能で中長期的な経営ビジョンに向けた取り組みやSDGs、ESGに関する議論について現在の取り組みや今後の展望について、ご意見をお聞かせください。

鯨岡: 2021年2月に私の出身である秋田県で、これからの地方企業経営の在り方について話をする機会(オンラインセミナー)があり、同じく地方からスタートしたグンゼの社名の由来、創業の精神などを紹介しながら、当社には125年前からサステナブル経営のDNAが宿っていることを話しました。
これからの企業経営にはグローバル、中央・地方に関わらず、SDGsの取り組みは必須であり、これは大きなビジネスチャンスとなるものです。
良い企業は昔から当たり前のようにSDGsに取り組んできたとも言え、まさしく当社の創業の精神や波多野鶴吉の言葉が表しています。
そうした意味では、現在、そして今後も当社は大きな財産を有しており、アドバンテージを持っていると思います。
また、温故知新ということで言えば、例えば今後のSDGsの取り組みのモデルとなり得る守山市の資源循環型工場(サーキュラーファクトリー)の取り組みを進めるプラスチック事業はもとより、これからの新たな事業展開を進める上で、創業の精神を常に意識することは重要だと思います。

木田: SDGsいうと貧困や環境問題などの社会課題の解決がイメージしやすいと思うのですが、それらに取り組むことは一見すると企業にとっては義務であり、コストアップ要因のように見えるかもしれません。
しかし、もう少し目線を上げてみると、SDGsは世界が直面している課題であり、この課題を解決するための取り組みは世界規模のビジネスに発展する可能性があるということだと思います。
環境問題や社会問題に取り組み、健全な経営ができている企業に積極的に投資するESG投資が、大きな資産を中長期的に動かす機関投資家に広がっているのも、そのような取り組みが企業自身の持続的発展につながるという考えのもとにあります。
今後はルールを侵さないという守りのSDGsから、ビジネスチャンスと捉え、新たな価値を生み出す攻めのSDGsへさらなる議論、発展を期待したいと思います。

中井: 今日においては、経営におけるあらゆる点で、サステナブル経営の視点を持つ必要があります。
当社はもともと、社名の由来どおり、地方産業の振興(郡是)のために創業された会社ですので、会社の成り立ち自体がSDGs、ESGによるものです。
その創業の精神を忘れずに、今こそサステナブル経営を推し進めていかなければなりません。
資源循環型工場や食品ロス削減に取り組んできましたが当社の成り立ち自体におけるサステナブル経営を一歩前進させた事業経営が、現代社会だけでなく、未来社会におけるニーズに合致し、企業イメージはもとより、当社の業績を上げる根幹になるものと信じて疑いません。
また、今期入社した社員が50歳代になる30年後を見据えた経営方針も社内外を問わず必要なものであり、大いにその観点からの議論もしていきたいと思っています。

各事業それぞれに今後期待する姿

佐口: 当社は多岐にわたる事業を展開しておりますが、機能ソリューション事業、アパレル事業、ライフクリエイト事業、それぞれに今後期待する姿をお聞かせください。

鯨岡: 機能ソリューション事業に関してはメディカル分野の新製品の上市、樹脂集電体の量産化の事業推進、資源循環型工場の新棟着工と、ここ最近でみても期待を持てる明るい話題を提供しています。
これからの当社の成長戦略を描く上で欠かせない事業を担っていることは言うまでもありません。
さらに期待したい点は、機能ソリューション部門の開発力、技術力を生かしたアパレルやライフクリエイト部門との協業の推進であります。
部門間や事業部間のタテ割りの垣根などないと思いますが、こうした取り組みが当社の総合力のアピールになり、企業価値やブランド力の向上につながるであろうと考えられます。
機能ソリューション部門の多くはB to Bの分野であり、最終製品よりも中間財がメインであるといったことから、その認知の広がりに限界があるかと思いますが、こうしたところの解消にもつながるのではないかと考えます。

木田: アパレル業界は、流行を追い、自身をそれらに合わせて外見を整えていくという価値観から、自分にとっての心地よさを重視する価値観へ変化しています。
これは、アパレル不況と言われる現状の中で、当社にとってはとても追い風だと確信しています。
このチャンスを逃さず、グンゼが消費者に約束する「ここちよさ」とは何かという軸を再認識し、ブランド力をさらに高めていただきたいと思います。
そのためには商品力だけでなくブランドの発信力、消費者とのコミュニケーション力も重要ですが、自社ECサイトはそれらを実現できる最適なツールです。
ぜひ積極的に活用いただきたいと思います。
また、女性が抱える健康問題をテクノロジー(技術)で解決するフェムテック市場の規模が2025年までに5兆円に達すると言われています。
SDGsにもつながるテーマであるとともに、当社の商材やビジョンとも親和性が高く、既に該当する商品も展開されていますので部門の垣根を超え、販売活動だけでなくブランド価値向上も含めた取り組みをお願いしたいと思います。

中井: まず、コロナ禍において、生活様式が大きく変わっています。在宅勤務が推奨され、外食や旅行などが制限される毎日です。
人々は人とのつながりに飢えていると言っても過言ではありません。
人々の暮らしに密着するライフクリエイト事業においては、ウィズコロナやアフターコロナの生活様式について、何が変わるか、変わらないものは何か、人々の真に求めるものは何かを、人々の心に寄り添う形で見極めた経営を期待します。次に当社はライフクリエイト以外にも事業を営んでいます。
特に、アパレルとメディカルとライフクリエイト事業との強い協働が望まれます。
それらの事業の協働によって生み出される企業イメージ、例えば、「健康」「心地よさ」「除菌」などにおいての協働の結果、人々の暮らしに貢献し、さらにそれぞれの事業を強化されることが望まれます。

若年層の従業員に期待すること

佐口: 最後に、社外からの視点で、当社の若年層の従業員に期待することは何でしょうか?
また、ぜひ彼らへのエールをお聞かせください。

鯨岡: 「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」この言葉は大昔に大手広告会社の方から聞いた言葉です。
コロナ禍は、社会の在り方、働き方、暮らし方、人との付き合い方などあらゆるものといっていいほどスタイルを変えています。
大変な時代の厳しい状況下の第一線にいることは、大きなチャンスの前に立っていると言えるかもしれません。
これまでの常識が通用しない時代を迎えているかもしれませんが、非常識の積み重ねが常識になる。
これは、新たな常識を作り出すチャンスでもあります。
グンゼは、B to Cの最前戦から、ものづくりや研究開発の現場作業など多種多様な仕事ができる場であります。
大いにこれを楽しんでほしいし、これを楽しめる環境作りに励んでいただきたいです。
そして、チャレンジの連続で新たな当社の企業価値の創造や事業内容の浸透を目指していただきたいと思います。

中井: 現代はかつてないほどの急速な変化が生じています。
数年前には予測もしなかったことが現実化されて驚くばかりです。
生まれた時から、携帯電話があった若年層と長らく黒電話とお付き合いしてきたベテラン層では考え方も生き方も違うことになります。
そこで、若年層のみなさんは、黒電話に執着しそうになるベテラン層を常に鼓舞し、時代の変化に取り残されないために、新しいことはどんどん取り入れるべきです。
人は昨日と同じ明日を求めがちですが、そんな執着は現代社会では許されないことです。
しかし、どんな世の中でも、人と人との結びつきの重要性を忘れてはいけません。
たまには、少しうっとうしいベテラン層の思い出話に耳を傾けると、そこには心の通ったヒット商品を生み出すヒントがあるかもしれません。

木田: 創立125年の老舗企業というと、世間では保守や安定といったイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実際には変化を続ける社会環境や人々の価値観に125年もの間、柔軟に対応し、新しいことに果敢に挑戦し続けた企業である証しだと思います。
そんな長い歴史の中でも、今は世の中の価値観やライフスタイルが大きく変わろうとしているまさに時代の節目にあり、これから先、未来に必要とされる価値を創造していくのは若い世代の方々にしかできないことではないかと思っています。
若い社員の皆さんには、先輩たちがそうしてきたように、どうか物おじせずにいいと思ったことにどんどんチャレンジしていってもらいたいと思います。
そして私たちは若い皆さんの描いた夢を全力で応援したい。
未来を創造し一緒にワクワクしたいと思っています。