グンゼ研究開発部

2024年5月22日(水)

筒状包帯の“ズレる”、“ダレる”を解決!筒状カバーの開発

創業から128年の歴史を持つグンゼは、ニット製品の研究開発力が強み。そんな当社が今、力を入れているのが医療分野で活用できるアパレル製品の研究開発です。

医療分野で使われるニット製品の一つに、筒状包帯があります。私たちが医療従事者を対象に行った調査によると、筒状包帯は創傷被覆材やガーゼの固定、スキンテア(皮膚裂傷)の予防、浮腫の予防や改善に使われるケースが多いようです。

創傷被覆材は通常、サージカルテープやサージカルシートで固定することが多いようですが、潰瘍のある患者さんやスキンテア(皮膚裂傷)のリスクがある患者さんの場合、テープやシートの剥離時に皮膚剥離が生じる可能性があります。そこで、皮膚が脆弱な患者さんに対しては筒状包帯を使用するケースがあると考えられます。

しかし、このような用途の中で見えてきた筒状包帯の課題が、「フィット感のなさ」でした。看護師アンケートから見えた具体的な意見として、「ズレやすい」、「洗濯すると伸びる」、「伸縮性が少なく装着時に擦れる」といった課題が挙がっています。特にズレによって生じる摩擦刺激が、皮膚がもともと脆弱な患者さんにとって、さらなる皮膚裂傷を招く原因となることもあります。

そこでグンゼでは、伸縮性がありながらも肌にピッタリフィットし、ズレにくく、洗濯してもダレにくい筒状カバーの研究開発を進めています。表面摩擦が少なく、伸長時の回復力が高い素材開発は当社の得意分野です。このような筒状包帯は、ガーゼや浸出液の吸水パッド固定用途はもちろん、皮膚の保護や圧迫用途での活用も可能だと考えています。