グンゼ研究開発部

2024年8月23日(金)

肌ざわり良く、切ってもほつれにくい!着圧カバーの開発

  • 衣療

グンゼでは、「衣療」=「衣類で人々の体を癒す」ことをコンセプトに、医療現場でのお困りごと解決や、患者さんのQOL向上に向けた製品開発に取り組んでいます。

こういった製品開発のため、私たちは患者さんの治療中や治療後のケアに携わられている看護師さんとの連携を大切にしています。ここでは看護師さんからお話を伺う中で出てきた一つの課題とソリューションについてご紹介します。

廃用性浮腫や終末期の患者さんに必要な弾性チューブ

終末期や術後で長期間の寝たきりになる患者さんの場合、脚の血流やリンパの流れが悪くなり、廃用性浮腫といわれる症状が現れます。浮腫を放置しておくとリンパ漏という状態になり、皮膚がジュクジュクになってしまうとのこと。ですので早い段階で浮腫の改善が求められます。通常は弾性ストッキングのような血流改善を促す医療機器を着用して浮腫の改善を図りますが、高齢者や終末期の患者さんの場合、もともと皮膚が脆弱なケースが多く、あまりに強い圧迫圧のものや肌に刺激の強いものは着用できません。

そこで現在使われているのが弾性チューブ包帯です。しかし市販の弾性チューブ包帯は目が粗くてザラザラし、それ自体が肌への刺激になるものがあったり、体形や部位に応じて長さを調節したくても、切ると繊維がほつれてしまったりと、様々な課題が見られます。実際に、看護師を対象とした筒状包帯に関するアンケートでは、回答者の6割が「端部のほつれ」を課題として挙げています。

肌ざわり良く、切ってもほつれにくい着圧カバー

そこで、グンゼのアパレル事業で培ってきた技術を応用し、「滑らかな肌ざわり」と「切ってもほつれにくいこと」を兼ね備えた筒状カバーを開発しています。よく伸び、しっかりフィットするニット製品の特長を活かし、適度な圧迫力も実現しています。

必要とされる機能だけでなく快適性も兼ね備えることで、体も心も満たされるような製品開発を目指して。これからもグンゼのアパレル技術の応用展開は続きます。