津山グンゼ 繊維の知識
繊維の分類・性能等
溶解点・軟化点

 

引張強さ
(cN/dtex)

伸び率
(%)

乾燥

湿潤

乾燥

ポリエステル 3.8~5.3 3.8~5.3 20~32
4.1~5.7 4.1~5.7 20~50
ナイロン6 4.2~5.6 3.7~5.2 28~45
ナイロン66 5.0~6.5 4.5~6.0 25~38
アクリル 2.2~4.4 1.8~4.0 25~50
ポリプロピレン 4.0~6.6 4.0~6.6 30~60
レーヨン 1.5~2.0 0.7~1.1
18~24
綿 2.6~4.3 2.9~5.6 3~7
2.6~3.5 1.9~2.5 15~25

 

比重

公定水分率(%)

ポリエステル 1.38 0.4
ナイロン6 1.14 4.5
ナイロン66
アクリル 1.14~1.17 2.0
ポリプロピレン 0.91 0
レーヨン 1.50~1.52 11.0
綿 1.54 8.5
1.33 11(生糸)

 

熱の影響

 

軟化点(℃)

溶解点(℃)

ポリエステル 238~240 255~260℃
ナイロン6 180 215~220
ナイロン66 230~235 250~260
アクリル 190~240 明瞭でない
ポリプロピレン 140~160 165~173
レーヨン 軟化、溶解しない。
260~300℃で着色分解し始める。
綿 235℃で分解。
275~456℃燃焼。
120℃ 5時間で黄変。
150℃で分解。

溶解点・軟化点

耐候性(野外暴露の影響)
ポリエステル 強度殆んど低下しない。
*ナイロン 強度やや低下し、わずかに黄変する。
アクリル 強度殆んど低下しない。
ポリプロピレン 強度殆んど低下しない。
レーヨン 強度やや低下する。
綿・麻 強度低下し、黄変の傾向あり。
強度低下著しい。

化学薬品の影響

 

燃え方

臭い

灰の状態

試薬判定

ポリエステル 黒煙を上げて燃える。
炎を離しても燃え続ける
芳香臭 黒くて硬い塊り、熱いうちは粘着性あり。 M-クレゾールの煮沸下で溶解。
*ナイロン 溶けて玉になりながら燃える。炎を離すと消える 毛髪を焼く臭い 丸い茶色の塊り、熱いうちは粘着性あり 20%塩酸、
80%ギ酸で溶解
アクリル 縮みながら燃える 肉を焼く臭い 黒くて硬い塊り ジメチルホルムアミド、80%硫酸で溶解
ポリプロピレン 縮みながら溶け、徐々に燃える ロウを燃やした臭い 灰色の硬い玉 全てに不溶
レーヨン 紙のように速く
パッと燃える
紙を焼く臭い 綿に似ている 70%硫酸で溶解
綿・麻 綿に似ているが、くすぶるようで遅い 紙を焼く臭い 灰色の柔い灰を少し残す 70%硫酸で溶解
綿に似ているが、くすぶるようで遅い 毛髪を焼く臭い 綿に似ている 80%硫酸で溶解
ナイロン6とナイロン66の見分け方は、ナイロン6はギ酸で80℃で
ただちに溶解するのに対し、ナイロン66は煮沸しないと溶解しない。



溶解点・軟化点
ポリエステルとナイロンは、いずれの繊維も強くて丈夫な合成繊維ですが、次のような相違点があります。

 

ポリエステル

ナイロン

風合 やや硬く、腰がない 柔らかく、腰がない
吸湿性 殆ど吸湿性がない 少し吸湿性がある
強さ 強いが、磨耗にはナイロンより弱い 強い、特に磨耗に対して強い
熱に対する性質 ナイロンより強い、
熱セット性にすぐれる
ポリエステルよりは弱い
化学的加工のし易さ ナイロンよりやや加工がしにくい 化学薬剤と反応しやすく、
加工剤による加工が容易

溶解点・軟化点

染料

綿・レーヨン

絹・毛

アセテート

直接染料 ×
酸性染料 ×
塩基性染料
(除カオチン染料)
カオチン染料 × × ×
媒染染料 ×
酸性媒染染料 × ×
金属錯塩染料 ×
×
建染染料
(バット染料)
硫化染料 × ×
ナフトール染料
分散染料 × ×
反応性染料 ×
顔料染料
○=一般に用いられる △=特殊な方法により染色可能。又は用いることは少ない。 ×=染色不可能

染料

ナイロン

ポリエステル

アクリル

直接染料
× ×
酸性染料
× ×
塩基性染料
(除カオチン染料)
×
カオチン染料 × ×
媒染染料 × ×
酸性媒染染料 × ×
金属錯塩染料
× ×
建染染料(バット染料) × × ×
硫化染料 × × ×
ナフトール染料 × × ×
分散染料 ×

反応性染料 × ×
顔料染料 ×

○=一般に用いられる △=特殊な方法により染色可能。又は用いることは少ない。 ×=染色不可能
溶解点・軟化点

染料の種類

性質

適合繊維

分散染料 水に溶けないので分散剤という界面活性剤で分散させた状態で繊維の分子中に染料を閉じ込める ポリエステル
レーヨン
直接染料 水溶性 
色はやや不鮮明
綿、羊毛、絹など
酸性染料 水溶性 
酸性の液に溶かして染める
絹、ナイロン、アクリル、綿に適合
反応染料 化学反応で強い分子結合で
染着させる 
堅牢度は強い
綿、麻、レーヨン
最近ではナイロンも
染色できる
媒染染料 一旦金属系化合物に
固着させてから染める
綿、麻
草木染めはこの方法
塩基性染料 綿などには、タンニンなど酸性物質を媒体として染色が可能 絹、羊毛は、ほぼ直接染まる
アクリルにはよく染まる
建染染料(バット)
〈ブルーインディゴ)〉
そのままでは水に溶けないので還元(酸素を取る)した後、水に溶かし染色後に酸化(酸素をつける)さして発色させる 綿、麻、羊毛、レーヨン
(ブルーデニム)
硫化染料
(ブラックデニム)
黒の成分を持った硫黄鉛をナトリウムで還元して水に一旦溶かし繊維に吸着させた後、酸化させて不溶性の色素に戻す方法 
硫黄成分が入った染料であり残留すると生地を痛める。
公害対策が必要
綿、レーヨン
(ブラックデニム)

津山グンゼ