「染色堅牢度」とは、染色されたものが使用中に受ける種々の作用に対して、示す染色的抵抗性を意味する。染色堅牢度には、「変退色」と「汚染」があり、前者は染められたものの色落ちの程度を表わし、後者は他への色移りの程度を表す。染色堅牢度の強弱は、数値にて等級表示し、5級が最も強く、1級が最も弱い。等級の判定には、「グレースケール」というJISで定められた判定用スケールを用いる。
(耐光のみ例外で、8級が最も強く、判定には「ブルースケール」を用いる)
等級 |
染色堅牢度の程度 |
5級 |
優良 |
4級 | 良 |
3級 | やや良い |
2級 | 可 |
1級 | 弱 |
ミシン糸(縫糸)のJIS規格で定められている染色堅牢度の表示方法としては、
「普通染」・「洗濯堅牢染」・「堅牢染」の3通りがある。当事業所において、最も堅牢度条件が厳しい区分の「堅牢染」・「洗濯堅牢染」の2通りの条件下が品質管理を行っている。
品種 |
JIS区分 |
試験方法 |
試薬判定 |
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ポリエステル | 堅牢染 | 洗濯 | Aー4号 | (変)4級以上 (汚)4級以上 |
摩擦 | Ⅱ型ー乾式 | (汚)3級以上 |
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耐光 (カーボンアーク) |
第3露光法 | (変)4級以上 | ||
ナイロン | 洗濯堅牢染 | 洗濯 | Aー2号 | (変)4級以上 (汚)4級以上 |
摩擦 | Ⅱ型ー乾式 | (汚)3級以上 | ||
綿糸 T/C |
堅牢染 | 洗濯 | Aー4号 | (変)4級以上 (汚)4級以上 |
摩擦 | Ⅱ型ー乾式 | (汚)3級以上 | ||
耐光 (カーボンアーク) |
第3露光法 | (変)4級以上 |
○洗濯堅牢度 JIS L-0844-2005
区分 |
試験液 |
ステンレス剛球 |
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石鹸 | 炭酸ナトリウム | 液量 | ||
A-1号 | 5g/l | - | 100ml | - |
A-2号 | 2g/l | |||
A-3号 | ||||
A-4号 | 10個 | |||
A-5号 | ||||
A-6号 | ||||
A-7号 |
区分 | 試験瓶容量 | 温度 | 時間 |
A-1号 | 550±50ml | 40±2℃ | 30分 |
A-2号 | 50±2℃ | ||
A-3号 | 60±2℃ | ||
A-4号 | 70±2℃ | 45分 | |
A-5号 | 80±2℃ | ||
A-6号 | 95±2℃ | 30分 | |
A-7号 | 240分 |
注:ステンレス鋼球は、試験片が毛、絹又はこれらの混用品は用いない
○摩擦堅牢度 JIS L-0849-2004
区分 | 添付布 | 摩擦回数 | 荷重 | 試験機器 |
乾式 |
乾燥木綿布 | 100回 | 2N (200g) | 摩擦試験機 Ⅱ型 (学振型) |
湿式 |
湿潤木綿布 | 100回 | 2N (200g) |
○耐光堅牢度(カーボンアーク法) JIS L-0842-2004
使用機器 | 時間 | 温度 | 備考 |
カーボンアーク |
20時間 | 温度 63±3℃ (ブラックパネル温度) |
第3露光法 |
○乾熱処理堅牢度 JIS L-0879-2005
区分 | 温度 | 時間 |
※A法 |
120±2℃ | 30秒 |
B法 |
150±2℃ | 30秒 |
C法 | 180±2℃ | 30秒 |
D法 | 210±2℃ | 30秒 |
*主として、ポリプロピレン及び毛製品に適用される
○熱湯堅牢度 JIS L-0845-1998
使用機器 | 試験液 | 温度 | 時間 |
常圧カラーペット |
水(25ml) | 70±2℃ | 10秒 |