GUNZE STORE(グンゼ公式通販)

お問い合わせ

English

グンゼ統合レポート2018
第三者意見

高野 一彦様
関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科 教授・博士(法学)
日本経営倫理学会 常任理事
経営倫理実践研究センター 上席研究員
高野 一彦 様

私は2012~14年の間、グンゼグループCSR報告書の第三者意見を執筆させて頂いた。
当時のCSR報告書は、グンゼグループのCSR活動が包括的に記載されていたが、その中でも「働きやすい職場づくり」、「お客さまに信頼される事業活動」に関する記載が充実していることに特徴があり、人を大事にする社風がよくわかる内容であった。たとえば、「女性きらきらプロジェクト」「明るく楽しく元気よく(ATG)プロジェクト」「職場の元気力向上プロジェクト」などの社長直轄のプロジェクトの活動や、「お客さまの声」共有システムで、商品の改良を継続的に行っている様子などはその好例であろう。

当時のCSR報告書は、多くのステークホルダーの中でも特に従業員とお客さまを読み手の中心に据えていたように思う。従業員の働くモチベーションの向上を図り、お客さまの信頼を得ることで、企業として発展していくという意思が伝わる内容であり、私はグンゼグループのCSR経営にとても好感を持った。その一方で、CSR報告書のなかに投資家に対する情報提供の機能を付加することも、将来的な課題として検討してはどうかという旨を、第三者意見で提言をさせて頂いた。

3年の期間を置いて、2018年度の第三者意見を執筆する機会を頂き、レポートの内容が大きく変わっていることに驚いた。まず名称が「グンゼ統合レポート」に変わっている。国際統合報告評議会( I IRC)のフレームワークを基に「統合報告」の形式を採用するとともに、サステナビリティー報告書の国際的なガイドラインである「GR Iガイドライン第4版」に基づき、グンゼグループにとって重要な分野(マテリアリティー)を特定した上で、PDCAマネジメントにより推進・改善を図っている。さらにこれらのCSR活動が、「持続可能な開発目標(SDGs)」の各項目にどのように対応しているのかを示している。これらは、投資家に対する情報提供を目指した改善であろう。

その一方、お客さまを大切にする社風は変わっていない。たとえば、アレルギーや敏感肌に悩むお客さまの声をもとにした低刺激性インナーの開発、アンジェラちゃんの施術の事例で紹介された再生血管の開発などである。「現場の声」を分析し、商品やサービスの改善に真摯に取り組んでいる点は、創業から120年以上もの長期にわたり、お客さまから信頼を獲得し続けているグンゼの競争優位性の源泉であろう。このように、グンゼ統合レポート2018を拝読すると、従前のCSR報告書の素晴らしいところを保持しつつ、投資家の投資判断に資する情報提供の機能を付加しており、一段とレベルアップした様子がよくわかる。

今後は、さらに記載内容を充実されると、より素晴らしい統合報告になっていくのではないだろうか。たとえば、長期経営戦略と価値創造ストーリー、リスクと見通しなどの記載がさらに充実すれば、より投資家の投資判断に資するような報告書に昇華すると思う。また、従前から真摯に取り組んでこられた活動について、今後も積極的に紹介をされることをお願いしたい。お客さまの「よろこび」を追求し続ける経営姿勢はグンゼグループの特徴だと思う。3年の期間を置いて拝見したグンゼ統合レポート2018は、企業としての発展を予感させる素晴らしいレポートに仕上がっているのではないだろうか。