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グンゼグループCSR報告書2016
第三者意見

村松 邦子様
経営倫理実践研究センター 主任研究員
日本経営倫理士協会 理事
ウェルネス・システム研究所 代表
村松 邦子 様

グンゼグループCSR報告書2016は、CSR活動の担い手である従業員との対話を重視し、「CSR ACTION BOOK」としてグンゼが優先的に取り組むテーマを丁寧に伝えています。網羅性の高い詳細な情報については、同社CSRウェブサイトで構造的に開示し、全体としてグンゼが何を基軸とし、どこに向かっているかがわかりやすい報告内容となっています。

1.評価したいポイント

創業の精神を基軸とした自律型CSRへ

グンゼは2016年度に120周年を迎えるにあたり、「人間尊重と優良品の生産を基礎として会社をめぐるすべての関係者と共存共栄をはかる」という『創業の精神』に立ち返り、トップコミットメントとともに従業員一人ひとりが「次の時代のグンゼを創るために何ができるか考え自ら実行する」ことを宣言しています。同社では、これまでも「CSR活動優良事業所表彰」や「CSR検定」など従業員の自発的なCSR活動を深耕する取り組みを継続してきましたが、一人ひとりのミッションと行動に焦点をあてた「アクションブック」には同社の創業の精神を基軸とした自律的なCSR活動のさらなる進化と決意が感じられます。

活力あふれる職場づくり

優先的に取り組むプロジェクトの活動報告においては、「多様な人財が個性を発揮できる環境づくり」「お客様満足のためには、従業員満足が前提」という企業姿勢が表れています。2012年にプロジェクトを立ち上げ、中長期計画の第2段階「女性のキャリア開発のための土壌づくり」に取り組んでいる「女性きらきらプロジェクト」。2013年度より全社プロジェクトとしてスタートした「ATG(明るく楽しく元気よく)プロジェクト」。これまでの取り組みの成果や今後の活動計画を、従業員の活き活きとしたメッセージとともに伝えています。継続的な活動と経年の報告は中長期計画の実効性につながることと評価できます。

価値共創による社会への貢献

グンゼは2014年に「グンゼが持つ強みをさらに強化し、グンゼにしかできない“ここちよさ”をお客さまに提供するグローバル企業として社会に貢献する」という経営ビジョンを打ち出し、人々のクオリティオブライフ(QOL)の向上に貢献する健康・医療関連分野を核とした事業拡大に取り組んでいます。
昨年度の報告書で紹介されていた新規事業創出のためのCFA(クロスファンクショナルアプローチ)活動の成果として、着るだけで生体情報を計測できる「スマート衣料」の開発、肌に負担の少ない「低刺激インナー MediCure(メディキュア)」の開発などが社外関係者の声とともに報告されており、同社の強みを生かした社会課題の解決への共創に大きな可能性を感じました。

2.今後のCSR活動への期待

昨年のCSR報告書2015にて、「国際的な基準やガイドラインを活用し、自社のCSR活動の整理、課題を再確認すること」を提言しました。今年度のCSR活動報告では、CSRウェブサイトに「ISO26000との対照表」が掲載され、「アクションブック」では「顧客満足の向上」「地域社会への貢献」「環境負荷の低減」を重点項目とした報告が行われています。
2014年から2015年にかけては、日本版スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの導入、国際社会が達成に向けて取り組む「持続可能な開発のための2030アジェンダ/SDGs」の採択など、国内外で持続可能な社会づくりに向けた枠組みづくりが進んでいます。
グンゼグループが「グローバル企業として社会に貢献する」ためには、活動・報告対象を海外子会社、サプライチェーン全体まで広げ、これまでの取り組みと今後の課題をグローバルな視点から検討してはいかがでしょうか。
また、重点項目の報告については、「何を実施したか」に加え「どのような社会課題の解決につながっているか」を明記することにより、幅広いステークホルダーからの理解と信頼が得られるでしょう。
従業員との信頼関係や、長年にわたる真摯な組織的マネジメントの取り組みを土台として、多様なステークホルダーとの対話や協働を進め、より広い視点、より中長期の軸で社会の持続的発展に貢献するグンゼグループとして、さらに飛躍されることを期待しています。