ESGファイナンス

当社は「人間尊重と優良品の生産を基礎として、会社をめぐるすべての関係者との共存共栄をはかる」という創業の精神のもと、サステナビリティ意識をもって社会貢献することを重んじてまいりました。
新中期経営計画「VISION 2030 stage1」では、基本戦略の1つとして「環境に配慮した経営」を掲げており、事業活動を通じて環境負荷を低減していく全社的な取り組みをさらに強化してまいります。
取り組みの推進にあたっては、必要資金の調達についてESGファイナンス(※1)を積極的に活用し、レポーティングなどを通じて、当社の活動の透明性を高めてまいります。

※1 ESGファイナンス
資金使途が環境(E)・社会(S)、ガバナンス(G)課題の解決に寄与する投資に限定された資金調達手段。

当社では2030年までに120億円の環境関連投資を予定しており、これらを資金使途としたグリーンファイナンスを実行するため、以下のとおり「グリーンファイナンス・フレームワーク(※2)」を策定いたしました。
グリーンボンド・ローン原則およびガイドラインの適合性の第三者評価については、株式会社日本格付研究所(以下、JCR)からの評価を受け、「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位である「Green1(F)」を取得しております。
また、本フレームワークにおける「サーキュラーファクトリープロジェクト(※3)」は、評価取得時点において、本邦初の資源循環型工場の取り組み全体での評価取得となっております。
なお、フレームワークの策定および第三者評価取得の助言などを通じて、グリーンファイナンスの支援を行うストラクチャリング・エージェントとして、野村證券株式会社を選定しております。

※2 グリーンファイナンス・フレームワーク
グリーンボンド・ローン原則/ガイドラインに基づき、グリーンファイナンスによって調達する資金の①資金使途 ②プロジェクトの評価及び選定のプロセス ③調達資金の管理 ④レポーティングについて当社の方針をまとめたもの

※3 サーキュラーファクトリープロジェクト
プラスチックフィルム事業における、リサイクルに適した製品開発と再原料化技術の確立および廃プラスチックの再利用による廃棄物を出さずに資源循環を実現する工場プロジェクト。

サーキュラーファクトリー建設などの必要資金調達のため、このたび、株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとして、グリーンファイナンス・フレームワークに準拠したグリーンジェネラルシンジケートローン(※4)の契約を締結いたしました。

※4 グリーンジェネラルシンジケートローン
新規取引金融機関も含め、幅広い金融機関からなるシンジケート団が同一の契約書に基づいて行う融資。調達資金の使途は、環境課題の解決に寄与する投資に限定される。

グリーンジェネラルシンジケートローン概要

契約締結日 2022年9月30日
アレンジャー/エージェント 株式会社三菱UFJ銀行
貸出人(五十音順) 大分銀行
滋賀銀行
全国信用協同組合連合会
筑波銀行
南都銀行
組成金額 45億円
借入期間 2022年10月5日〜2026年10月5日(4年間)
資金使途 サーキュラーファクトリープロジェクト(守山工場):
CASBEE(※5)Aを取得した建屋建設
エネルギー効率が改善される新設ライン設置

グリーンビルディング:
BELS(※6)5つ星およびZEB(※7)認証を取得した江南工場事務所建設

※5 CASBEE(建築環境総合性能評価システム)
省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮や室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価し、格付けする手法。5段階でランク分けされる。一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターが第三者機関による認証制度「CASBEE評価認証制度」を実施している。

※6 BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示ガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つ。制度運営主体は一般社団法人住宅性能評価・表示協会。省エネルギー性能を客観的に評価し、5段階の星マークで表示。

※7 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)
快適な室内環境を実現しながら、再生可能エネルギーによる創エネルギーと、断熱性を高めた構造やセンサーなどを駆使した省エネルギーにより、建物で消費する一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物。