ニュースリリース

すべての患者さまを救いたいという思いが、製品販売につながりました
2月1日から創傷領域における日本初のヒト羊膜製品「EPIFIX®」を販売開始

グンゼ株式会社(本社:大阪市北区、社長:佐口 敏康 以下、グンゼ)とMiMedx Group, Inc.(本社:米国ジョージア州マリエッタ、CEO:Todd Newton 以下、マイメディックス)は、糖尿病性足潰瘍または慢性静脈不全による難治性潰瘍を対象としたヒト由来の羊膜使用組織治癒促進用材料 「EPIFIX®、以下、エピフィックス」 を、2023年2月1日から、グンゼ連結子会社であるグンゼメディカル株式会社(本社:大阪市北区堂島、社長:松田 晶二郎 以下、グンゼメディカル)より販売を開始しました。
この製品は、創傷領域における日本初のヒト羊膜製品であり特定生物由来製品に該当するため、発売開始までには多くの時間と労力がかかりました。これを支えたのは、この製品によりこれまで治癒に至らなかった創傷へアプローチすることで、患者さまのQOL向上に貢献したいという熱い思いからです。

■羊膜使用組織治癒促進用材料エピフィックスとは

エピフィックスは、MiMedx社独自の加工方法「PURION®プロセス」(特許取得)により加工・乾燥したヒト胎盤の羊膜・絨毛膜で、ヒト胎盤由来の成分を含有しています。羊膜・絨毛膜はコラーゲン性の膜で、細胞外マトリックス(extracellular matrix:ECM)タンパク質、増殖因子、サイトカインなど300種以上の調整たんぱく質を含有しているため、瘢痕組織形成の低減、炎症の抑制ならびに創傷治癒の促進に寄与します。 対象疾患としては、従来の治療法では治癒しなかった難治性の糖尿病性足潰瘍および静脈性下肢潰瘍の治療機器として承認されています。創傷領域では日本初のヒト羊膜製品となります。


ヒト羊膜使用組織治癒促進用材料「エピフィックス」

販売名 エピフィックス(EpiFix)
使用目的
又は効果
既存療法に奏効しない難治性潰瘍に使用し、創傷治癒を促進することを目的とする。
【使用目的又は効果に関連する使用上の注意】
・根本的な創傷管理(壊死組織等の除去、感染制御、創傷の浄化等)、糖尿病性潰瘍に対 する血糖コントロール、静脈うっ滞性潰瘍に対する圧迫治療、創傷被覆材による湿潤療法等を一定期間実施しても十分な効果が得られない患者に使用すること。
・難治性潰瘍の既存療法の実施期間が原則4週間以上であることを考慮して、患者への適用を検討すること。
・生物学的安全性試験の結果に基づき、本品の使用は、累積適用面積224㎠を上限の目安として、必要最小限に抑えること。
サイズ展開 5種類のサイズを取り揃えており、それぞれの創傷のサイズに合った製品を選択することができる。
発売時期 2023年2月1日より販売開始
承認番号 30300BZI00019000
クラス クラス4(高度管理医療機器)
選任製造
販売業者
EPJメディカルサービス株式会社
外国製造業者 MiMedx Group, Inc.(マイメディクスグループ) 国名:アメリカ合衆国

■日本で医療機器として製造販売承認取得を目ざして

  • エピフィックスの製造販売承認については、日本初の製品であったため、何もかもが初めてとも言える手探り状態で行政との折衝を開始しました。スタート時点で、製品の薬事分類が何になるか難航しました。医療機器か再生医療等製品に該当するかの判断が難しく、海外の使用例も含め膨大な資料を用意し面談を重ね、最終的に要望どおり医療機器と判断されました。次に、製造販売承認取得のステップでは、ヒト羊膜は何かなどの根本的なところから説明を開始し、行政からの度重なる質問や要求に真摯に対応しました。
    この種の生物由来製品の製造販売承認取得は不可能といわれていましたが、最終的には我々の技術、品質、そして製品の持つ有効性を行政から高く評価頂き、2021年6月に承認を取得することができました。実に5年に渡る交渉でしたが、多くの関係者に支えられ実現することができました。
    (マイメディクス米国本社ディレクター 伊藤 武仁)

  •   エピフィックス シートタイプ

多くの患者さまに使用していただくために保険償還価格を取得

多くの患者さまにこの製品を使用していただくためには、保険適用されることが重要です。最終的に、海外での平均価格をベースとした原価計算方式で保険償還価格を決定いただきました。ここに至るまでに費やした時間や労力は一言では言い表せないほど膨大でしたが、厚生労働省から内示を頂いた時には、これまでの苦労が一気に報われました。
製品は個別生産であり、また、安全性を最重視しなければならないヒト組織由来製品であるため、おのずと製造原価は高くなります。企業人としては、経済的価値と社会的価値を考慮し対応する必要がありますが、その前に日本人として1人でも多くの患者さまのお役に立ちたいという思いから、医師の皆さまや学会から理解・サポートを頂くよう努めました。その結果、行政から高い有効性を認めて頂き、納得する保険点数をつけて頂きました。すべての患者さまを救いたいという共通の思いから、この製品が生まれたと実感しています。
(マイメディクス米国本社ディレクター 伊藤 武仁)

■特定生物由来製品をお客様にお届けするために

  • 特定生物由来製品は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)」において、保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するための必要な措置を講じることが定められています。また、薬機法の基では医療施設に対して、①リスクとベネフィットを患者さまに説明を行うこと ②使用した患者さまの製品記録を作成し20年間保存すること など厳格な管理が義務付けられています。一方、企業に対しては、①医療施設に製品が届けられるまでの記録を30年間保存すること ②医療施設における記録保存に対して協力を行うこと などが義務付けられています。
    法令を順守して販売を行う体制構築や営業トレーニングを実施し、特定生物由来製品への理解を深めてまいりました。エピフィックスを安全にお届けするために、引き続き必要なトレーニングを実施してまいります。

  •   グンゼメディカル営業グループ
      ジェネラルマネージャー 倉地 徹

■患者さまのQOL向上に貢献するために

日本における糖尿病性足潰瘍患者数は約25万人と推定され、重症感染症に至ると下肢の切断を余儀なくされることがあります。私たちは効果的なプロモーション活動を通じ、早期に市場への普及を進め、患者さまのQOL向上に貢献してまいります。

■グンゼメディカル株式会社について

設立
1986年4月(グンゼ株式会社の連結子会社)
所在地
大阪府大阪市北区堂島2丁目4-27 JRE堂島タワー5F
代表取締役
松田 晶二郎
事業内容
形成外科・脳神経外科・口腔外科・美容外科・小児外科・心臓血管外科・皮膚科等の関連医療機器の販売、開業開設に関するコンサルティング、医療機器の開発・販売
ホームページ
https://www.gunzemedical.co.jp

本件に関するお問い合わせ先

報道関係の方からのお問い合わせ
グンゼ株式会社 
コーポレートコミュニケーション部 広報IR室
(大阪)TEL:06-6348-1314(担当/野中)
(東京)TEL:03-4485-0001(担当/前川)
お客さまからのお問い合わせ
グンゼメディカル株式会社 
企画開発部
TEL:03-4485-0020(担当/佐々木、橋本)
■GUNZEホームページ
URL: https://www.gunze.co.jp/

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