トップメッセージ

message_top
当期の経営成績の概況当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における日本経済は、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、地政学的緊張を背景とした原材料価格の高騰に伴う物価上昇や急激な為替変動及び世界経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が継続しております。
このような事業環境のもと、当社グループでは、中期経営計画「VISION 2030 stage1」の2年目にあたり、引き続き「新たな価値の創出」「資本コスト重視の経営」「企業体質の進化」「環境に配慮した経営」の4つの基本戦略への取り組みを進めました。
売上高は、前期の電子部品フィルム事業譲渡及び不動産開発プロジェクトの影響により、減収となりました。営業利益、経常利益は、アパレル事業の収益改善等により、増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、電子部品事業、スポーツクラブ事業、アパレル事業において構造改革を進めたことから、事業構造改善費用2,801百万円を計上しましたが、子会社への投資に係る将来減算一時差異等に対して法人税等調整額(益)2,575百万円を計上したことや、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益2,009百万円の計上等により、増益となりました。
今後の見通し

機能ソリューション事業では、プラスチックフィルム分野は環境対応型新商品の積極的な投入とともに、サーキュラーファクトリー(資源循環型工場)の本格稼働とサーキュラーメーカーへ変革するための基礎となるリサイクルセンター設置を進めてまいります。また、設備の自働化や再生可能エネルギーの活用による生産革新を進める一方、米国・中国・アセアン等海外拡販を強化してまいります。エンジニアリングプラスチックス分野は、主力のOA市場向け製品のシェア拡大に加え、医療・半導体分野の需要増に対応するため、2025年3月完成を目標に主力である江南工場拡張を実施します。また経営資源の戦略的配分を推進するため電子部品分野については連結子会社の株式(85.1%)及び日本と米国のタッチパネル事業の商権を2024年10月1日(予定)に譲渡することとしております。メカトロ分野においても事業譲渡の交渉を行っております。
メディカル事業では、事業の成長を加速するため、2025年2月竣工を目標に京都府綾部工場敷地内に新工場(第三工場)建設とメディカルの開発力強化のための研究開発施設の増強を実施します。新工場では需要が拡大している癒着防止材「テナリーフ」の増産体制を整備します。また米国・中国の販売強化・継続的な新商品開発により、事業拡大を加速させてまいります。
アパレル事業では、競争力向上を目的とした業種横断型の組織再編を通じて、消費行動変化に伴い伸長しているECチャネルや直営店舗のDtoCルートでの更なる拡販と他社とのコラボレーションを積極的に推進し、ライフスタイル分野への拡大、差異化新商品を通じたレディスインナーの拡販を図ってまいります。また生産拠点の集約など構造改革を行ってまいりましたが、今後もオートメーション化とグローバル最適生産体制の構築によりコスト競争力の強化を推進してまいります。加えて「物流の2024年問題」については、効率化(ロットまとめ、輸送量の標準化)に取り組み事業への影響の極小化を図ってまいります。
ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上の推進や投資効率を重視した物件別管理を強化してまいります。グリーン分野では、大阪万博等への緑化需要の取り込みとCO2削減に向け固定量増加に積極的に取り組んでまいります。スポーツクラブ分野は、不採算店舗の閉鎖等、課題店舗への対応を強化するとともに、スクール事業の拡大と地域・店舗特性に合わせた特長のあるサービス提供や新業態の開発に取り組んでまいります。
株主の皆さまには変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2024年6月

グンゼ株式会社
代表取締役社長signature