2024年9月からグンゼオンラインストアなどで発売が開始された「SKINNY SOCKS」。
着圧の強さ、丈、履き心地、そしてカラーリングにこだわったファッションアイテムとしても楽しめる着圧ソックスで、発売以来大きな反響を呼んでいます。
今回は、企画、設計、販売それぞれの立場から「SKINNY SOCKS」の商品化を実現したメンバーにインタビューを実施。誕生秘話や商品へのこだわり、そして今後の展望などに迫りました。
「SKINNY SOCKS」誕生までの秘話
早速、どのように「SKINNY SOCKS」が誕生したのか企画発起人である宮城さんに聞いてみました。

宮城さん:営業MD本部エリアセールス統括部
「着圧ソックスの市場ニーズは高くて、よく売れているのですが、まだまだ伸びる要素があるのではないかと思っていました。というのは、今市場にある着圧ソックスは、着用シーンや、着用目的が限定されていて、普段履きできるものがあまりないんです。実際に着圧ソックスについてヒアリングをしてみると、『きつめの着圧が苦手』『黒しかないから履かない』『ハイソックスは履かないので着用機会がない』など、強い着圧に対する抵抗感や、日常的に履けるデザインへのニーズがあることがわかりました。」
もともとドラッグストアなどで販売されていた着圧ソックスは、「働く人向け」「スポーツ向け」「おうち用」などが主流。そこで、「普段使いできるおしゃれな着圧ソックス」という新たな視点の企画を提案。すると、取引先や社内の女性からの反応が非常に良かったので試作をしてみようと本格的にプロジェクトがスタートしたと宮城さんは語ります。
「おしゃれに履きたい」普段履きのニーズ

試作を進めるうちに「パッケージのデザインもおしゃれにしたい!」といった要望も。そもそも商品化できるかどうかもわからない状態にも関わらず、パッケージデザインをお願いしたデザイン会社の女性たちも、パッケージだけにとどまらずネーミングやキャッチコピー、POPといったソフト面の企画にも自発的に参加。ますますプロジェクトが盛り上がっていきました。
「SKINNY SOCKS」に込めたこだわりと開発の苦労
宮城さん「着圧ソックスの多くは黒の膝下丈なので、カジュアルに履けるものを作るなら、カラフルにしたらいいのでは。そして、きつすぎて履けないという悩みに応えるには、着圧をゆるめればいいのではという発想からスタートしましたが、それは大きな間違いでした。」
商品化にかかった時間は想像以上。着圧の強さもさまざまで、それに対応しようとして糸を変えると着圧のバランスが変わってしまう。さらに多彩なカラーを作ろうとすると1から開発し直すケースも。
商品の設計を担当した西田さんは「丈の長さ、着圧の強さなど、さまざまなパターンの試作を重ね、最終的に出来上がったのが「SKINNY SOCKS」です。」と語ります。

西田さん:営業MD本部 商品企画部
「おしゃれに履ける着圧ソックス」を追求する中で、開発時にこだわったポイントや苦労した点を聞いてみると、笑顔を浮かべながらみなさん一斉に「たくさんありすぎてわからない(笑)」と。
さまざまな脚の形や、着用感の好みがあるからこそ、どこのレンジを狙って設計するのか苦労したという「SKINNY SOCKS」。
グンゼのECサイト「グンゼストア」でレッグアイテムを担当する山科さんは、「普段履きしやすいということがメインだったので、とにかくカラーバリエーションを出しつつ、強すぎない、履きやすい、でも着圧感を感じる、という絶妙なバランスにこだわりました。」と語ります。

山科さん:営業MD本部 リテール統括部 デジタルマーケティング部
さらに山科さんはこう続けます。
「でも結局一つに絞れなかったんです。やっぱり強めの着圧が好きな方もいらっしゃいますし、ゆるいけどある程度の締め付け感もほしいという方もいて。最終的には【ハード着圧】と【ゆる着圧】の2タイプを作りました。

ただ、その【ハード着圧】一つとっても、強すぎると感じる人と弱すぎると感じる人がいます。そこをチューニングするのにすごく苦労しました。」
そんなたくさんの課題がある中でさらに、カラーバリエーションにもこだわっているのが「SKINNY SOCKS」。
コーディネートの際、靴下は服を選んだ後に選ぶことが多い。どんな色なら服に合わせやすいか、あえてアクセントになるようなカラーにするのか、逆に浮かないようなカラーがいいのか。
グンゼのECサイト「グンゼストア」内の情報サイト「着ごこち+」を担当する本竜さんは、「ちょっと薄めのカラーにすると足が太く見える。せっかく着圧なのに太く見えたら嫌など、さまざまな意見があり、それらを取り入れるのも大変でした。」と語ります。

本竜さん:営業MD本部 リテール統括部 デジタルマーケティング部
履く人の立場に立って、さまざまなシチュエーションを考えて検討し、ようやく納得できるカラーバリエーションにたどり着いた。通常、靴下は黒やグレーなどのベーシックなカラーが売れる傾向にあり、カラーものはそこまで売れない中で、「SKINNY SOCKS」は比較的まんべんなく売れていると宮城さんは語ります。
カラーの他にもこだわったのは「履きごこち」。
【ゆる着圧】のリブタイプには、土踏まずにフィットして足の動きをサポートするアーチサポート設計を採用し、足底もパイル編みにして、ふわふわした触感に仕上げた。
「履いた時の気持ちよさを実感いただけるはず。」と本竜さん。

そしてこだわりポイントのもう一つが「丈」。
西田さん「着圧ソックスって一番機能を発揮しようと思ったら膝下丈なんです。ふくらはぎ全体をカバーして圧をコントロールする。だから市場にある着圧ソックスは膝下丈ばかり。でも、女性が膝下丈を履くシーンって実は限られていて、いつも履くのはふくらはぎの真ん中くらいの長さのレギュラー丈。そんな意見にも寄り添いながら、丈のバリエーションを検討しました。」

さまざまな検討、試作を重ねて誕生した「SKINNY SOCKS」。
「今まできつい着圧ソックスしかなかったけど、自分にあったものをやっと見つけることができた。」といったお客さまのお声をいただけた時には、「開発してよかった!」と山科さんは感じたそうです。
「おしゃれ」にこだわったパッケージデザイン

パッケージのこだわりについても聞いてみました。
山科さん「私はECサイト担当なのですが、靴下は通常パッケージなしで販売されることが多いんですが、今回はパッケージに入れて販売したくて。それも、雑貨のようなかわいいパッケージにしたかったんです。なので、デザイン会社さんとのやり取りの中でも、いやここはもうちょっとこうしたいと何度も修正をお願いして、シールも丸いデザインにするなど細かい部分にもこだわって仕上げました。」
発売後、お客さまから「パッケージがかわいい」「買った後もパッケージに入れて保存している」「プレゼントにもおすすめ」といったお声をいただいた時は、「自分の想いがお客さまに届いたと感じ、うれしかった。」と山科さんは語ります。

「SKINNY SOCKS」はただ単に商品を販売するだけではなく、着圧ソックス初心者にもわかりやすい丁寧な情報発信にも力をいれたそう。
衣類に関する豆知識や毎日の暮らしに役立つヒントをお届けする情報サイト『着ごこち+』を担当する本竜さんは、
「商品の魅力はもちろんですが、着圧ソックスに不安を感じている方に安心して着用いただけるように、選び方や商品紹介を含めた入門的なコンテンツを医師監修のもと作成しました。」と語ります。

「SKINNY SOCKS」に続く、今後の商品開発
そんな「SKINNY SOCKS」に続く今後の商品開発の展望も聞いてみました。
担当する情報サイト「着ごこち+」での情報発信を通じて、お客さまとグンゼ商品の接点を作り出している本竜さんは、「お客さまのお悩みを軸に発信する内容を決めることが多いので、これからさらにお客さまのお悩みやお困りごとをより掘り下げて、かゆいところに手が届くような商品を開発できたらいいなと思います。」と語ります。
山科さん「私はECサイトで商品ページや特集ページの製作を担当しているので、お客さまに商品を知ってもらい、お届けするという役割を担っています。「SKINNY SOCKS」も含めて、商品には自信があります。だからこそ、魅力的な商品ページを作ることで、もっと多くの人に商品を知ってもらい、『グンゼの商品っていいな』と感じてもらえるよう、これからも頑張っていきたいと思います。」
普段から「こういう商品がほしい!」「こういう工夫をしたらお客さまのお困りごとを解消できるのでは?」など、それぞれの立場で感じたこと、考えたことを共有しているというグンゼの皆さん。お客さまのニーズにこたえる商品が生まれやすい文化や社風を強く感じました。
最後の「商品開発は楽しいですか?」との質問には、一同「楽苦しい」と話され、
「作った商品を実際にお客さまに履いていただいて、『よかった』と言ってもらえることが、一番開発冥利に尽きます。」と西田さん。

インタビューの終わり際も、次なる商品開発の話に熱が入っていたみなさん。グンゼのさらなる商品開発から目が離せません。
