商品開発のイノベーション
グンゼは、異種積層フィルムの開発をコア技術としています。
特に、ポリスチレン(PS)とポリエステル(PET)を積層したハイブリッド収縮フィルムは、高収縮性(美麗性)と剛性(薄膜化)という2つの特性を兼ね備えているため、ペットボトルにとどまらず、異形容器や耐熱性が弱いトイレタリー用品などにも広く採用されています。
グンゼは、「多種多様な原料を選択して加工すること」を強みとして、特徴あるフィルムを開発し、価値を創造してきました。
しかし、異なる複数の素材で構成されたフィルムを材料ごとに分離する場合、リサイクルの難易度が上がるため、材料単体で構成してリサイクルを容易にするモノマテリアルの流れが世界的に主流となりつつあります。
そのような状況でも、グンゼは、あくまで異種積層技術を活かすことを前提に、フィルムの分離再生技術を確立して、リサイクルの課題を解決したいと考えています。
2024年2月に異種分離の実験装置が完成し、今後は社内でのリサイクルに加え、お客さまのもとで発生した生産屑をフィルムに配合し、製品のリサイクル配合率を高めていきます。
すでにリサイクル原料を配合した製品を市場に投入しており、2022年度末には、リサイクル原料30%使用の「GEOPLAS®
HCT3」を発売、2023年度末には、リサイクル原料含有5%で業界最軽量となる「GEOPLAS® HCX1」を発売しました。
後者はリサイクル比率が少ないものの、薄膜化技術によって材料を削減した結果、業界最軽量の製品となりました。
さらにリサイクル配合率を高め、2030年までには循環型原料100%の製品供給を進めます。
そして、守山工場をサーキュラーファクトリー®のモデル工場として、そのノウハウを他の生産拠点にも投入することで、「サーキュラーメーカー」に変革したいと考えています。
環境技術開発による資源循環の推進
環境技術開発においては、環境負荷低減を持続的成長に向けた投資と位置付け、独自技術開発を進めています。
プラスチック廃材のリサイクルには、化学的に分解して再利用するケミカルリサイクル、物理的処理で再利用するマテリアルリサイクル、別の資材や固形燃料へと変えるダウンサイクル、の3つのアプローチが存在します。ダウンサイクルは技術的難度が低い一方で製品価値が低下するため、差異化が困難となります。ケミカルリサイクルは大規模プラントと多額の先行投資を要し、ランニングコストも増大するため、現時点では経済合理性の確保が容易ではない領域となっています。こうした中で当社が選択したのは、マテリアルリサイクルの領域における独自の高難度技術です。「分離精製」や「脱墨溶融」といった制御の難しいプロセスに独自技術を確立することで、技術優位性の確保を図っています。
その具体例として、プラスチックフィルム分野では、回収したラベル端材からインキ成分を除去する脱墨技術を確立し、収縮ラベルへの水平リサイクルを可能にしました。加えて、リデュース・リユースの取り組みも推進し、資源循環型のものづくりへの転換を加速しています。
これらの取り組みを通じて、グンゼグループは、生産性向上、品質安定化、環境負荷低減を同時に実現し、持続的成長を支える製造資本のさらなる高度化を図っていきます。