取り組み内容 | |
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2005年度 | 執行役員制度を導入し、取締役数の削減を実施 |
2006年度 | 取締役の任期を2年から1年に変更 |
社外取締役、女性取締役を登用 | |
2015年度 | グンゼ コーポレートガバナンス・ガイドライン制定 |
2018年度 | 女性取締役が2名体制に |
2019年度 | 指名・報酬委員会を設置(取締役会の諮問機関、社外取締役が議長) |
取締役の社外ウェイトが1/3に達する | |
2021年度 | 取締役・監査役のスキルマトリックスを公表 |
コーポレートガバナンス
基本的な考え方 グンゼグループは、企業価値を継続的に増大させていくという経営の基本方針を実現するために、コンプライアンスの重要性を認識し、社会・経済環境に対応した迅速な意思決定と適時適切な情報開示に努めています。経営の透明性向上を図ることによって株主価値を高めることが経営上の最も重要な課題の一つであると考え、その実現のために、各ステークホルダーとの良好な関係を築くとともに、内部統制機能の強化・整備を図りながら、コーポレートガバナンスの充実に努めていきたいと考えています。
コーポレートガバナンス強化の取り組み
グンゼグループは、意思決定の迅速化、経営監督機能の強化を図るため、2005年度に執行役員制度の導入、取締役員数の削減を行いました。取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制とするため、2006年度より取締役任期を2年から1年に変更し、併せて経営の透明性の確保を図るため社外取締役の選任を行っています。また、2019年度から取締役候補者の指名にあたっては、代表取締役と社外取締役で構成され、社外取締役を議長とする取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会の審議を経た上で、取締役会で決定するなど、コーポレートガバナンスの強化に努めています。
なお、2015年にグンゼグループのコーポレートガバナンスに関する基本方針として、「グンゼ コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、2021年に改定しました。
コーポレートガバナンス体制
グンゼグループは監査役会設置会社であり、監査役会は社外監査役2名を含む監査役4名(2024年6月25日現在)で構成されています。監査役は、取締役会などの重要会議への出席、事業部門・管理部門への往査、国内外の子会社調査などを実施し、経営への監視機能を果たしています。
現行の経営体制は、社外取締役3名を含む取締役9名(うち女性2名)です。また、意思決定の迅速化および業務執行体制の強化を図るため執行役員制度を導入しており、取締役兼務者6名を含む執行役員13名を選任しています。なお、経営責任の明確化を図るとともに、経営環境の変化により迅速に対応できる経営体制とするために、取締役および執行役員の任期は1年としています。
取締役会
取締役会は株主からの委託を受け、すべての株主のために、効率的かつ実効的なコーポレートガバナンスを実現し、それを通じてグンゼグループが持続的に成長し、長期的な企業価値の最大化を図ることについて責任を負います。また、その責任を果たすため、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保するとともに、社長その他の経営陣の指名、評価およびその報酬の決定、グンゼグループが直面する重大なリスクの評価、対応策の策定、ならびに重要な業務執行の決定などを通じて、自社のために最善の意思決定を行っています。取締役会は原則として月1回開催(2023年度は13回開催)しており、業務執行に関する重要事項や法令、定款に定められた事項の決定を行うとともに、取締役の職務執行状態を監督しています。
経営執行会議
取締役会と併せて、代表取締役、役付取締役、機能別担当取締役・執行役員などで構成される経営執行会議を開催(2023年度は17回開催)し、業務執行に関する重要事項の審議を行い、意思決定の迅速化を図っています。
指名・報酬委員会
取締役・監査役候補者の指名、経営陣幹部の選任および取締役の報酬などに関する公正性、客観性を強化することなどを目的に、取締役会の諮問機関として、代表取締役1名と社外取締役3名で構成され、社外取締役を議長とする指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会では、報酬などの内容、額、種類別の構成比率ならびに関連規程を審議し、取締役会に提案するとともに、支給に関する細部取扱いを協議しています。
会社情報の適時開示に係る社内体制
各部門で決定または発生した重要な事実は、遅滞なく情報取扱責任者に一元的に集約し、「決定事実」「決算情報」については、情報取扱責任者が開示の要否を関係者と協議した上で、株主総会・取締役会決議など、会社の業務執行を実質的に決定する機関により決議が行われた時点で、また「発生事実」については、情報取扱責任者がその発生を認識した時点で速やかにトップを含めた経営層と協議し、適時適切に開示する体制を構築しています。
開示が決定された重要な会社情報については、情報取扱責任者が直ちに情報開示担当者に開示指示を行うとともに、情報開示担当者は「適時開示規則」「会社情報適時開示ガイドブック」に則り適時適切に開示処理を行っています。
開催回数 | 議題数 | 報告数 | 出席率(社内役員) | 出席率(社外役員) | |
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取締役会 | 13 | 29 | 56 | 100% | 98% |
監査役会 | 15 | 22 | 25 | 100% | 97% |
経営執行会議 | 17 | 66 | (議題数に含む) | 100% | - |
属性 | 氏名・ 役職等 |
職歴・ 年齢 |
指名・ 報酬委員会 |
社内役員 | 社外役員 | 主な専門分野 | |||||
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各事業分野の経営 | 他社での 経営経験 |
財務経理 | 生産技術・ 研究開発 |
営業・ マーケティング |
法務 | 国際性 | |||||
取締役 | 男性 | 佐口 敏康 代表取締役社長 |
10年/ 満62歳 |
○ | ○ | ○ | |||||
独立/ 女性 |
中井 洋恵 社外取締役 |
6年/ 満63歳 |
○ (議長) |
○ | |||||||
独立/ 男性 |
鯨岡 修 社外取締役 |
5年/ 満68歳 |
○ | ○ | ○ | ||||||
独立/ 女性 |
木田 理恵 社外取締役 |
4年/ 満55歳 |
○ | ○ | ○ | ||||||
男性 | 熊田 誠 取締役 |
7年/ 満62歳 |
○ | ○ | |||||||
男性 | 河西 亮二 取締役 |
3年/ 満61歳 |
○ | ○ | ○ | ||||||
男性 | 澤田 博和 取締役 |
1年/ 満59歳 |
○ | ||||||||
男性 | 岡 高広 取締役 |
- / 満61歳 |
○ | ○ | ○ | ||||||
男性 | 奥田 智久 取締役 |
- / 満59歳 |
○ | ○ | |||||||
監査役 | 男性 | 鈴木 富夫 常勤監査役 |
3年/ 満60歳 |
○ | ○ | ||||||
独立/ 男性 |
舩冨 康次 社外監査役 |
1年/ 満63歳 |
○ | ||||||||
独立/ 男性 |
中 紀人 社外監査役 |
1年/ 満62歳 |
○ | ||||||||
男性 | 森田 真一郎 監査役 |
3年/ 満67歳 |
○ | ○ |
取締役・監査役の選任について 取締役・監査役候補者の指名および経営陣幹部の選任については、取締役会で定める選任基準に基づき、指名・報酬委員会での審議を経た上で、取締役会で決定しています。取締役候補者の決定に際しては、経営戦略に照らしグンゼグループの事業活動について適切かつ迅速な意思決定と執行の監督を行うことができるよう、ジェンダーや国際性を含む多様性に配慮しながら、各事業分野、財務経理、技術・研究開発、営業・マーケティング、法務、人事などについて知識・経験・能力を有する社内出身の取締役と、他社での経営経験や社外の専門的な知識・経験と公正かつ客観的な立場から積極的な助言・提言ができる複数の社外取締役を選任し、バランスのとれた取締役会を構成することを基本方針としています。また、監査役候補者については、優れた人格、見識、能力および豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者で、監査役のうち最低1名は、財務・会計に関する適切な知見を有している者とし、専門的な視点と独立的な立場から公正な意見表明を行える者で監査役会を構成することを基本方針としています。
取締役会の実効性評価
グンゼグループでは、すべての取締役・監査役が取締役会の有効性、自らの役員としての業績などについて毎年自己評価を行い、その結果を取締役会に提出しています。取締役会は、その集計結果に基づき、取締役会全体の実効性について分析・評価を行うこととしており、2019年度からは、自己評価・分析において外部機関の助言を得て実施しています。
2024年3月には、取締役会の構成員であるすべての取締役・監査役を対象とし、外部機関に直接回答することにより匿名性を確保した上でアンケートを実施しました。外部機関からの集計結果の報告、助言を踏まえ、2024年5月開催の定時取締役会で評価・議論を行った結果、アンケートの回答からは取締役会の構成、運営状況、付議事項、個々の役割遂行、相互監督など、総じて肯定的な評価が得られており、外部機関活用以降の評価結果の推移、前年度評価ならびに社外データとの比較も勘案し、取締役会全体の実効性は確保されていると認識しています。
取締役会の審議内容 法令・定款に定められた事項の審議に加え、重要な業務に関する事項として、四半期決算や次年度方針、営業予算、その他の個別案件の審議および各執行部門からの報告、情報共有が適時適切になされ、各議案・報告事項に対し、中期経営計画「VISION 2030 stage1」の実現に向けた進捗確認も含め、社外役員などからの積極的な質疑、課題提起、多様な視点からの議論を行っています。2023年度は、成長事業としてのメディカル事業の独立セグメント化、新工場(第三工場)建設、研究開発施設の増強、またエンジニアリングプラスチックス分野の主力工場拡張、アパレル事業における新会社((株)Ballelite、(株)SEESAY)設立、そして電子部品分野、メカトロ分野、アパレル事業、スポーツクラブ分野における構造改革などについて、提案・報告がなされ、審議、決定しています。
監査役の主な活動 監査役の主な活動内容は以下の通りであり、常勤および非常勤別に実施した主な活動に●または○印を付しています
活動内容 | 回数他 | 業務分担 | ||
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常勤 | 社外 非常勤 |
非常勤 | ||
取締役会への出席、意見表明 | 13回 | ● | ● | ● |
社外役員会合(本社部門・事業部門からの取り組み報告会)出席、意見交換 | 9回 | ● | ● | ● |
その他重要会議への出席、意見表明 (経営執行会議・予算会議・事業グループ長会議・ リスクマネジメント等委員会 他) |
39回 | ● | ○ | |
重要な資料(稟議書など決裁資料、重要な契約書)閲覧、検証 | 随時 | ● | ○ | |
取締役との個別面談、意見交換(社外取締役との意見交換会1回を含む) | 17回 | ● | ○ | ○ |
執行役員・幹部社員などとの個別面談、業務執行状況の聴取、意見交換 | 73回 | ● | ○ | ○ |
主要事業所・関係会社への往訪、調査 | 26単位 | ● | ○ | ○ |
主要事業所・関係会社への棚卸実査立会い | 3単位 | ● | ● | |
内部統制システム整備・運用状況の調査、監視・検証(上記活動も踏まえ) | 点検票徴収 | ● | ○ | ○ |
子会社監査役との連携(グループ監査役連絡会、個別コミュニケーション) | 連絡会2回 | ● | ○ | ● |
内部監査部門との連携(監査計画の確認・定期報告受領他ミーティング) | 9回 | ● | ○ | ● |
会計監査人との連携(監査・レビューに関するミーティング 他) | 12回 | ● | ○ | ○ |
取締役・監査役のトレーニング 新任取締役(社外取締役を含む)は、就任後速やかに、法務、コンプライアンス管掌取締役または外部弁護士などによる研修プログラムに参加するとともに、経営戦略、財務状態その他の重要な事項について、社長またはその指名する業務執行取締役または役職員から説明を受けることとしています。取締役および監査役は、その役割を果たすために、財務状態、法令遵守、コーポレート・ガバナンスその他の事項に関して、常に能動的に情報を収集し、研鑽を積まなければならないこととしています。なお、外部研修などにかかる費用は、請求などに基づき会社が負担しています。
後継者計画 取締役会は、社長の後継者の育成を経営上の重要事項の一つであると認識し、指名・報酬委員会での審議により社長の資質に関する要件や育成方針を定めた承継プランを策定し、取締役会で決定しています。取締役会は、当該承継プランを共有し、指名・報酬委員会の報告により社長候補者となり得る経営幹部の育成状況を定期的に確認するとともに、社長が退任するときには、承継プランに基づき、社長の後継者となるべき候補者を決定しています。
役員報酬制度
業績連動賞与として取締役に対して賞与を毎年一定の時期に支給しています。
業績連動賞与の額の算定基礎として選定した業績指標の内容は、各事業年度のGVAであり、当該業績指標を選定した理由は、グンゼグループの業績や株主利益と連動性があり、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるために最も適切な指標であると判断したからです。業績連動賞与の額は個々の役員報酬月額に役位ごとに定められた役員賞与係数ならびにGVA対業績予想増減額に応じた業績連動係数を乗じて算出しています。
なお、当事業年度におけるGVAの実績は16億円の赤字(前事業年度は23億円の赤字)でした。
取締役(社外取締役を除く)に対し、中長期的な企業価値向上に対する意識を高めるため、業績連動型株式報酬として、譲渡制限付株式を毎年一定時期に支給しています。業績連動型株式報酬の額の算定基礎として選定した業績指標の内容は、各事業年度の株主総利回り(Total Shareholders Return)とTOPIXとの相対評価および全社CO2排出量削減目標の達成度合に基づく評価です。当該業績指標を選定した理由は、株主の皆様との一層の株主価値共有を進め、グンゼグループの企業価値向上に対する貢献意識を高める、環境負荷を低減した事業活動推進のために、最も適切な指標であると判断したからです。業績連動型株式報酬の額は個々の役員報酬月額に役位別に定めた係数(固定部分・変動部分)を乗じて算定しており、変動部分については、TSRとTOPIX との相対評価および全社CO2排出量削減目標の達成度合に応じた業績連動係数を乗じて算出しています。
報酬の種類 | KPI(業績指標) |
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賞与 |
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株式報酬 |
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報酬の種類 | 報酬などの総額(百万円) | 報酬などの種類別の総額(百万円) | 対象となる役員数(名) | ||
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固定報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型株式報酬 | |||
取締役 (社外取締役を除く) |
185 | 100 | 42 | 43 | 6 |
監査役 (社外監査役を除く) |
24 | 24 | - | - | 2 |
社外取締役 | 21 | 21 | - | - | 3 |
社外監査役 | 14 | 14 | - | - | 4 |
指名・報酬委員会議長メッセージ
「多様な人財が活躍する組織風土づくり」に向けて
グンゼは、2030年ビジョンの戦略の1つに、「企業体質の進化」を掲げ、その具体的な戦略として、「多様な人財が活躍する組織風土づくり」を挙げています。指名・報酬委員会も、「多様な人財が活躍する組織風土づくり」を究極の目標として、企業体質の進化を図る所存です。また報酬に関しては、第一に、業績連動型を中心に、グンゼの目標達成に強いモチベーションとなるもの、第二に明確で公正になるよう報酬体系を検討・検証を行い、競争力を強化するものとなることを目指しています。
2024年の株主総会に向けて、「取締役の人数・体制、スキルマトリクスに基づく人財要件」などについて審議し、推薦者リストの中から、必要な経験やスキルを有する取締役候補者(新任を含む)を選定しました。株主総会での決議を経て、取締役会は新体制となりましたが、この新たな布陣によって、次期中期経営計画に向けた体制を固め、経営の実効性を高めることで、次のステップに進むことを期待しています。今回、新体制となるにあたり、代表取締役会長が退任しましたが、社外団体の代表などの対外業務を継続して実施するために相談役を委嘱しています。加えて、相談役には、会社経営上の判断について、経験や知識を活かし助言を行うことも期待しています。
中井 洋恵
社外取締役
指名・報酬委員会議長
コンプライアンスの推進
企業価値の継続的な向上を実現するためには、コンプライアンスが重要であると認識しています。法務コンプライアンス室では、構成員に対して必要な教育・研修を定期的に実施し、また社内イントラネットで研修動画の配信を行うなど、コンプライアンスに関する適切な理解の全社的な浸透を図っています。2022年度からは新入社員を対象に、e-ラーニングおよび法務コンプライアンス室員講師によるリアル研修をいずれも実施するハイブリッド研修を始めました。グンゼの倫理観を共有するとともに、部署や責任範囲にかかわらず必須知識といえる、インサイダー取引規制やソーシャルメディアを利用する際の注意点について、理解を深めてもらうことを目的に、フォローアップ研修も実施しています。
また、改正障害者差別解消法施行のタイミングで、グンゼグループが運営する店舗や施設を使用するすべてのお客さまに、これからも安心してご利用いただけるように、グンゼグループが行うべき適切な配慮について研修を行いました。
なお、社内窓口である「なんでも相談ホットライン」では、コンプライアンスなどに関する相談を受け付けており、関係者のプライバシーに配慮した上で問題解決を図っています。加えて、弁護士が対応する通報窓口も設置しており、公益通報対象に該当する内容の通報を受けた際は弁護士から直接、監査役に報告できるルートを確保するなど、より重大な不正に対応する仕組みづくりも行っています。2023年度には、公益通報対象となる相談・通報が1件ありました。
内容 | 2022年度 | 2023年度 | ||
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ホットライン | 社外通報窓口 | ホットライン | 社外通報窓口 | |
職場の人間関係 | 6 | 0 | 4 | 0 |
セクシュアル・ハラスメント | 1 | 0 | 2 | 0 |
パワー・ハラスメント | 7 | 1 | 4 | 0 |
公益通報対象事実 | 0 | 0 | 1 | 0 |
その他 | 4 | 0 | 7 | 0 |
計 | 18 | 1 | 18 | 0 |