人財戦略

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昨今の社会環境は大きく変化し、先行き不確実な時代、いわゆるVUCA時代において働き方や個人の価値観が多様化しています。この変化スピードに対応していくために、個人や組織には自律性が求められ、会社と従業員の関係も変わっていくことが想定されます。従業員には、自らの専門性や強みを活かした自律的なキャリア形成によって「主体的」に会社に貢献していくことが求められます。一方、会社は従業員の成長機会を創出し、将来に向けたキャリアビジョンが描けるように全力で「支援」していかなければならず、「管理職」の役割の軸足が管理から成長支援に移る価値観の大転換が起きつつあります。グンゼグループでは、2023年度からキャリアデザインについて従業員の希望をより具現化できる仕組みを新設し、戦略的・適所適財なローテーションによる人財交流の活性化に取り組んでいます。特に若手社員に対しては、自らのキャリアをデザインできる仕組みを定着させ、活力ある組織体にしていきたいと考えています。併せて、構成員の半数を占めるシニア世代のモチベーション向上にも取り組みます。長期間にわたり会社を支えてきたシニア社員には、引き続き社業への貢献に向けて、さらなる活躍を期待すると同時に、人生100年時代を念頭に、自らのセカンドキャリア構築に取り組む支援も必要と考えています。加えて、シニア社員の大事なミッションである若手社員への計画的な「技能伝承」、技術やノウハウのタスキをつなぐ活動を仕組み化していきます。企業の成長は、「従業員モチベーション」の総和と言われています。シニアから若手への技術伝承を進めると同時に、若手の早期戦力化も目指すなど、全世代でのモチベーションやエンゲージメントの向上を実現し、グンゼグループの人的資本を最大化することで、持続可能な企業の発展につなげていきます。

「人財」は最大の経営資源。企業競争力の礎であり、全ての構成員が働きがいを持ちながら能力を十分に発揮できる企業風土を醸成し、夢のある元気な会社になる

グンゼグループは、中期経営計画「VISION 2030 stage1」において持続可能な社会の実現に向けて、「変革と挑戦」をキーワードに経営戦略を策定しました。そのうちの“ヒト”戦略として「企業体質の進化」を掲げ、これに連動した人財戦略の基本的な考え方を上記のように定めました。従業員全員の成長とモチベーション向上を目指し、多様な人財が活躍する組織風土づくりを推進していきます。特に、女性活躍推進の観点から女性管理職比率、子育て支援の観点から男性育児休職取得率、働き方改革の観点からは年休取得率、組織風土改革の観点からはエンゲージメントスコアをそれぞれKPIに設定しており、2022年度は概ね順調に推移しました。

マテリアリティ、KPI(2024年度目標)
KPI
2024年度目標
2022年度
目標 実績
企業体質
の進化
女性活躍推進 女性管理職比率 6%以上 4% 5.1%
子育て支援 男性育児休職取得率 50% 30.0% 36.0%
組織風土づくり エンゲージメントスコア 70点想定 64点想定 62点
働き方改革 年休取得率 75%(15日) 14.0日 70.1%(14.1日)

キャリアサポートデスクの設置(2023年5月より)

人生100年時代に入り、自律的なキャリア形成を実現するため、従業員は自らのキャリアをデザインし、人生の目標やキャリア像(ライフキャリア)を見定め、それに向けて働きながら歩んでいかなくてはなりません。それらを積極的に支援するため、このたび「キャリアサポートデスク」を設置しました。働く中で起こりえるさまざまな問題について、従業員が一人で考えるのではなく、会社が伴走者となって一緒に考えることをその役割としています。