2023年10月31日

肌着のグンゼが挑む!食品包装用パッケージによるフードロス削減

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肌着のイメージが強いグンゼですが、実は食品用パッケージに参入して約60年。今ではペットボトル飲料用のラベル、もやしやキノコのパッケージではトップシェアと陰ながら毎日の暮らしを支えています。
海洋プラスチック問題で脱プラが叫ばれていますが、食品を安心安全に食卓にお届けるために大きな役割を果たしているのが、食品包装用パッケージです。
食品包装用パッケージによるフードロス削減に取り組むプラスチックフィルム部門で営業を担当している山さんにお話を聞きました。

食品包装用パッケージでフードロス削減とは?

まだ食べられる食品が捨てられてしまう「フードロス」は、農林水産省・環境省によると、国内で年間523万トンにも及びます(2021年度推計値)。家庭内での食べ残しはもちろんですが、実は店頭での売れ残りによる期限切れや、輸送中の袋へのダメージで店頭に並ぶ前に廃棄されている食品もあるのです。
この問題を解決するための技術革新が進んでいますが、その1つが「コールドチェーン」です。この「コールドチェーン」が、食品包装用パッケージによるフードロス削減という今回の取り組みに大きく影響をしています。

コールドチェーンとは?

冷蔵や冷凍といった低温管理が必要な食品を、低温状態を維持しながら生産から消費まで流通させる仕組みのことです。食品関連業界では、フードロス削減のためにこのコールドチェーンが活発化していて、商品の長期保存や、日持ちしづらい食品の輸送など、食品の安心安全のために活用されています。

コールドチェーンと食品包装用パッケージのつながりとは?

もともと私たちは、食品包装用パッケージの製造において、製造から販売までに発生するパッケージのピンホール(穴あき)について研究し、穴があきにくいパッケージの製造技術の確立に取り組んでいました。
しかし、2014年にある食品メーカーさんからピンホールの相談を受けた際、“お店の冷蔵コーナーに陳列されている食品も、実は製造から輸送まで冷凍されている”ということを知り、とても驚きました。
というのも、それまで私たちが行っていたピンホール評価は常温と冷蔵のみだったからです。このことをきっかけに冷凍状態でも同じ評価をしたところ、これまでの「屈曲磨耗」(折れ曲がったフィルムが段ボールと擦れて発生するピンホール)だけではなく、中身がフィルムを突き破る「突き刺し」や 落下による「衝撃」のピンホールにも対応したフィルムでないと冷凍状態では通用しないことが分かりました。

食品を安心安全な状態でお客さまに届けるのは容易なことではなんいですね。

コールドチェーンは、食品の鮮度の維持や販売可能な状態を長く保てるので、食品ロス削減につながるというメリットがありますが、パッケージが硬くなり、落下による衝撃などで中身の冷凍食品がフィルムを突き刺すなど、ピンホール(穴あき)が発生しやすくなるというデメリットもあるのです。
袋に穴があいてしまった商品は、そのまま廃棄されたり、再度袋詰め作業が必要になったりします。万が一、市場に流通した場合は大きなクレームとなります。このようなロスや懸念をなくすためにも、冷蔵・冷凍の低温下でも耐えられる食品包装用パッケージが必要不可欠なのです。

コールドチェーンに対応できる食品包装用パッケージがあれば、さらにフードロスの削減につながるということですね!

その通りです。ピンホールの防止策として、従来は「フィルムを厚くする」という方法が一般的でした。しかしこの方法だと、プラスチックの使用量が増えますし、環境負荷やコストの増加などの問題も残ります。また、フィルムを厚くすると、フィルムが硬くなってしまい、屈曲や摩耗性への耐性がなくなり、むしろピンホールが生じやすくなるケースがあることも分かりました。

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こうした年間100件にも及ぶピンホールの発生事例の分析を通じて、私たちは独自の原料配合や積層、延伸技術により、冷凍も含めた低温環境でもフィルムの柔軟性を維持し、あらゆるピンホールを防止することができる「冷凍耐ピンフィルム」を開発しました。
通常は数年かけて開発するところを、この「冷凍耐ピンフィルム」は開発スタートから実際に使われるまで11ヵ月という異例のスピードで開発しました。
発売以降、多くの食品メーカーさんからお問い合わせをいただきました。特にチキンナゲット、ピザなどの畜肉加工食品や冷凍食品、菓子、調味液など多く採用頂いています。

ピンホールに関する動画はこちら☟

URL: https://www.gunze.co.jp/plastic/detail/13

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今後、プラスチックフィルムを通じてどのように仕事をしていきたいですか?

海洋プラスチック問題など環境保全の観点からプラスチックフィルムに対してマイナスのイメージをもたれる方も多いと思います。しかし、私たちは『プラスチックフィルムを製造すること=人々の生活文化の向上に貢献できる』と考えています。プラスチックフィルムがなければ食品がより長く、美味しく運ばれることはありません。どれだけ時代や環境が変化しようと、プラスチックフィルムがなくなる可能性は限りなく低いと思います。変化する環境の中で、今までになかった社会課題やニーズを拾い上げ、問題解決に繋がる商品を提案し続けること、それが私たちの使命であることを忘れずに日々の仕事に取り組んでいきたいです。

プラスチックカンパニーの取り組みはこちら☟

URL: https://www.gunze.co.jp/plastic/index.html

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